ゴルトベルク日記③

楽譜は5冊め。レコーディング用に使ったのを入れたら7冊。

中は真っ黒、真っ赤でお見せできません。

この曲のパフォーマンスで何がスペシャルかって?

それは、一曲80分もかかる曲は他にないわけで、

それは、普段のリサイタルで何曲も弾く時とは、色々なことが全然違うのです。

何種類かの曲を弾く時には、案外とその各曲の合間で気分転換をしているらしい。それが、この曲では、ワンステージの中で気分転換の瞬間がないわけです。

もちろん変奏はそれぞれに個性があり、変化に富んでいるけれど、それを全部まとめて一曲なのですから、その構成管理が必要なわけです。

そしてその能力って、この曲の時にしか使わないので、まあ普段使わない頭を使いながら整理する作業も必要。

普段のリサイタルだと、レジストレーションや装飾はガチガチに決定せずに、その時の流れに任せたりするけれど、この曲の場合そうはいかないのも私にとってはかなり特別な事。

それに、新たな発見が出ると指使いを変えなければならなくなる。

そんな細かい努力をするのも、美への執念!!!

そこは妥協なし。

それが演奏会前のお仕事。

(裏話は演奏会前に本当はしたくないのだけどね…)

そしてステージは全てから開放されて音を愉しむだけ。最高に美しい音を皆さまにお届けしたいな。

★サントリーホール ARKクラシックス曽根麻矢子《ゴルトベルク》の公演の詳細はこちらです。

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