映画《めぐり逢う朝》

こんにちは、事務局です。 皆様、いかがお過ごしでしょうか。 暑い夏が戻ったかのような数日でしたが、今週末からは、いよいよ秋も深まるようですね。

そんな秋の気配を感じつつ、今日はとある映画の話題を。

映画《めぐり逢う朝》
  マラン・マレと、その師サント=コロンブについて描かれたアラン・コルノー監督のフランス映画(パスカル・キニャール原作)

物語は、ルイ14世に仕えたマラン・マレの密やかな告白から始まります。
“宮廷音楽家”という尊厳と名誉ある立場のマレ。その彼がふいに漏らした言葉に、居合わせた楽徒たちは耳を疑います。

「私は偽善の徒だ…」

驚く楽団達を前に、マラン・マレは亡き師 サント=コロンブとの出逢いを回想します。

史実とフィクションが織り交ぜられたストーリーとはいえ、俳優たちの見事な演技も大変見応えがあります。

自然の奏でる風の音や、質素なスープをすする音、画家が筆を走らせる音、はたまた、耳には届かない少女のため息までもが聞こえてきそうな…そんな静寂が、観るものを包みこんでゆきます。

そして、その静寂に響くマラン・マレ、コロンブのガンバの響き。

惜しくも2010年に急死したアラン・コルノー監督渾身のフィルムと言えるでしょうね。

若きマラン・マレの葛藤や繊細さを見事に演じているギョーム・ドパルデューの美しい瞳や端正な佇まいには、個人的に観る度に溜め息が漏れてしまうワケなのですが、それはさておいても、陰影の美しい映像やディテールの細やかさ、当時人々の暮らしぶり等々、視覚からも大変楽しい映画です。

さて、そんなマレなのですが、
11/18(土)14:00より、上野学園石橋メモリアルホールにてコンサートがございます。響きの素晴らしいホールにて、稀なるマレの演奏会!

…ということで、映画のお話から始まりましたが、来月18日、皆様のお越しを心よりお待ちしております。

演奏会の詳細は以下をご覧くださいませ。

★《マラン・マレ その秘められた才能 ~ヴィオールからオペラまで~》(東京 上野)

★開催日 2017/11/18(土)14:00開演

★会場 上野学園 石橋メモリアルホール

★ご予約はスケジュールページからお入りください。

★出演:
バロック・ヴァイオリン 寺神戸亮、若松夏美
バロック・フルート 前田りり子、菅きよみ
ヴィオラ・ダ・ガンバ 上村かおり、福沢宏
チェンバロ 曽根麻矢子

映画の余談ですが、、
青年期のマレをギョーム・ドパルデューが演じたのに対し、中年になったマレ役は、ギョームの実父ジェラール・ドパルデュー。(ご覧になった方ならお分かりかと思いますが…)その成長ぶり?に、若かりしあのマレの面影は一体いずこへ…と、つい肩を落としてしまうのは私だけでは無い筈、、。

そして、マレではありませんが、劇中で流れるF.クープラン《ルソン・ド・テネブレ》の天界のような美しさも必聴です。

素敵な秋が皆様に訪れますように。

事務局でした。